もう人前で弾かない

 2012-05-03
「先生、わたし人前でヴァイオリンを弾かなくてもいいかなと思っています。」
「誰も居ない自分の好きな場所で弾く方が好きかもしれません。」
2週間前のレッスンの後、そうお話しました。

何かヴァイオリンで嫌なことがあったという訳ではありません。
「もう少し上手になったらそんな風に思わないのかもしれませんけど…」
「いえいえ、上手になっても人前で弾くのはイヤです(^^)」
先生も演奏を披露するのはあまりお好きじゃないみたいです。

音楽の授業で習うリコーダーやハーモニカ、オルガンなどは
ほとんどの人が音を出した経験があって、下手な演奏にも慣れているけれど、
ヴァイオリンといえば上手な演奏しか聴く機会がないからそれが普通。
その「普通の演奏」と違う音楽を聴いたらビックリするし、聴く人も苦痛だろうと思うし、
自分自身もそれこそ苦痛なくらい緊張するし…と思ったのです。

新年会で年に1回だけ演奏させてもらうことは続けたいけれど、それ以外は、
レッスンに通う楽しさ、上達する楽しさだけで、十分楽しめるのではないか。
練習してもなかなか思うように弾けるようにはならないので、
そんな風に思ってしまったのかもしれません。

演奏を披露するのがお好きではない先生の、演奏動画を見ました。
普段は練習曲や弓の動かし方等の、お手本としての弾き方なためか、
とても控えめな雰囲気で、目線も伏目がちなのですが、この演奏は違っていました。

とても生き生きとした演奏で、「先生の顔」ではなく「演奏家の顔」をしていました。
弾き終わった後、とても清清しい表情でこちらに目を向けています。
人前で弾くのは好きじゃない…と言っている先生のそういう姿を見られて、
本当に幸せな気持ちになりました。

わたしもいつか、弾き終わった後にあのような表情ができるような演奏がしてみたい。
照れたりダメだと思ったりしないで、清清しい表情をしてみたい、と思いました。
人前で弾くのが好きじゃないわたしの、そういう姿を見た人が、
今のわたしと同じような気持ちになることがあるかもしれません。

ということは、やっぱり誰かの前で演奏する、ということか…。


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