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頭の中で踊る人

 2014-02-25
わたしは「天の声」や「ヴァイオリンからの言葉」を聞くことはできないけれど、
音楽を聴いていて、景色や色や何かの映像が頭に浮かぶことが良くあります。
たぶん、バレエの仕事の賜物なのでは…と思います。
音楽を視覚に置き換えることに慣れているのでしょうね。

時々、音楽を聴いていて頭の中で誰かが踊るのが思い浮かぶことがあります。
・ハイフェッツの演奏する「ツィゴイネルワイゼン」(面白いのでいつか書きます)
・グリュミオーの演奏する「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」の「プレスト」
他にもありますが…。

演奏者が書いてあるのは、他の人の演奏で同じ曲を聴いても頭の中がシーンとして誰も踊らないから。
この演奏じゃないとダメです。聴いているわたしのテンションが上がると踊り出すみたい。

今日書きたいのはグリュミオーの「プレスト」。曲はこれです。



一人の若い男性バレエダンサーが踊っています。黒っぽい髪。ブルーグレーのタイツを着ている。
そこは舞台の上で、後ろは濃いブルー。
明るすぎない落ち着いたライトの中、彼の身体だけハッキリと見えます。

アレグロの細かいステップ、スモールジャンプが続きます。
終わりかと思うと、まだ続く…。彼の体力は持つのだろうか…。
ようやく終わりかと思ったら、ダメ押しのようにまだ続きます…。
グリュミオーの演奏が終わるまで、彼は踊り続けました。すごい!!!

って、わたしの頭の中で勝手に妄想しているだけなのですが…。

こういう速い曲で次々にステップを踏んだら、通常1分くらいが限界です。
でもこの曲、きついステップを次から次に入れたくなります。
聴きながら、「ダンサーの限界に挑戦!」という言葉も浮かびました。

この曲、休みなしに1曲全部踊れるダンサー、見てみたいです。
きっと弾くのもかなり大変なのではと思うけれど、初めて聴いた時、
「いいなぁ~、ヴァイオリンはこんなの弾けて。ダンサーだったら死んじゃう」と思いました。
なぜかダンサー目線なわたし…。

でも実際に自分で弾こうと思ったら死にそうかもしれませんね。
「無伴奏ソナタとパルティータ」にはたくさん名曲があるけれど、
わたしはいつか、この「プレスト」を弾いて、頭の中で踊る彼と対決してみたい。
でも、わたしの演奏じゃ頭の中で踊ってくれないよな…。



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